日本在来の牛に、外国の肉専用種を交配して造成された牛のこと。交配後、閉鎖的に選抜と性質の固定を行ったために、日本独自の性質を持つようになった。昭和30年代半ばまでは、農業を行う役牛と肉牛を兼用していたが、その後農業の機械化導入に伴って、役牛としての役割がなくなり、現在では肉用として利用されている。黒毛和種、褐毛和種、無角和種、日本短角種の４種がおります。

わが国の肉用牛の主要品種。小型で成長が遅かった在来の牛を明治時代に外国種と交配して改良し固定して、昭和19年に黒毛和種と命名され、毛の色は黒で、角、鼻鏡、舌、蹄も黒い。体重は成熟した雄で900〜1,000kg前後、雌で500〜600kg前後が基準とされています。肉質が特に優れており、やわらかく、筋線維が細く、肥育すると脂肪が筋線維の間に細かく沈着した「霜降り」肉になります。日本全国で肥育されており、現在ではわが国の和牛の90％以上がこの品種です。

和牛の一品種。山口県萩市を中心に、在来の牛にアバディーンアンガスを交雑して改良された牛。毛の色は黒く、全身黒一色である。角はない。黒毛和種よりもやや大きめで、体重は雄で800kg前後、雌で500kg前後。成長、体重の増加は早く、低質飼料を利用できる長所があり、肉質は、脂肪交雑、きめなど黒毛和種には及ばないですが、なかなか美味しいです。現在でも萩市周辺で飼育されておます。

和牛4品種の一つ。日本の東北地方原産の肉用牛。東北地方には古くから南部牛と呼ばれる牛が役牛として飼育されていた。これにショートホーンを交雑して改良され、1957年に日本短角種として登録された。毛の色は濃い赤褐色で、小さい角があります。和牛としては大型で、成体の体重は雄で900kg前後、雌で600kg前後。成長は早いが、肉質は黒毛和種に劣り、脂肪の入りもあまり良くない（霜降りになりにくい）。黒毛和種には及ばないですが、なかなか美味しいです。粗飼料の利用性に富み、ダニ、ピロプラズマ病などの放牧病に対する抵抗性があります。乳量も多いので、山で子を育てることも可能であり、山地放牧に適しておます。